2016年7月15日金曜日

東アジア強制立ち退き法廷で霞ヶ丘アパートの事例報告をしました

台北(台湾)で7月2日・3日に、居住の権利を守る台湾の運動グループらが主催した<東アジア強制立ち退き法廷>が開かれ、日本からは<霞ヶ丘アパートを考える会>が参加しました。
2016年10月にエクアドルで開催される第3回国連人間居住会議と同時開催される第5回国際強制立ち退き法廷に向けてのイベントであり、政府に対して改善計画を提出するよう促すものです。

7月2日、公営団地が六本木ヒルズを真似た都市再開発によって立ち退きにあった広大な空き地に大きなドーム型テントをつくり法廷は開かれました。メディアや観客が熱心に見守る中、台湾・マレーシア・フィリピン・香港・韓国からの当事者や支援者が報告し、審判員(国連の関係者や都市計画の専門家、弁護士など)との問答を行いました。
フィリピンの数万規模なスラムの立ち退きや警察の暴力によって6名の死者が出た韓国での立ち退きなど、どの報告も状況は深刻でした。
霞ヶ丘アパートは、今までの経緯と現在の仮囲いされている状況を述べました。審判員からはIOCや建築家(隈研吾など)への要望などを聞かれました。話している途中から熱帯特有のスコールが降り始め、嵐の中で霞ヶ丘アパートの映像が流れました。他の事例とも共通する行政の住民軽視の問題は理解されたと思います。

7月3日、戦前の日本でモダンダンスを学び台湾舞踏の創始者である蔡瑞月のスタジオでイベントが行われました。再開発計画があったとのことでビルに囲まれていましたが、とても開放的な雰囲気の場所でした。当事者や支援者が怒りで泣いて話が止まってしまったり、昨日に続いて切実な報告が相次ぎました。台湾において再開発のための立ち退きや環境問題が多発していることを知り、今回の企画の危機意識も分かりました。霞ヶ丘アパートは改めて問題点を指摘しました。会場からは今後についての質問がありました。

7月4日、朝から2時間ほどデモを台北市内で行いました。参加者は100~150名くらいでした。日本のデモとちがい警官が少なくデモ中に立ち止まってスピーチできる自由度の高いものでした。先頭車に乗って、霞ケ丘アパートのアピールやデモコールもしました。
今回のイベントは若い世代が中心になり企画・組織しており、準備に半年かかったとのことでしたが、その労力と気持ちには本当に尊敬に値いする、とてもいいイベントでした。
7月中には、霞ヶ丘アパートに関する審判員の勧告が届く予定です。

東アジア強制立ち退き法廷 http://www.taafe.org.tw/iteea2016/
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第3回国連人間居住会議 http://bit.ly/29Dbh2E